入局・研修のご案内

消化器内科での研修について

1. はじめに

東北大学病院消化器内科では、初期臨床研修医や新専門医制度で内科専門医を目指す専攻医を積極的に受け入れております。いずれも、消化器内科診療全般に渡って広く研鑽を積むことができるよう指導を行っています。内科専攻医は同時に消化器病専門医、肝臓病専門医、消化器内視鏡専門医を取得するための研修を行うことも可能です。また、専門研修と並行して大学院に入学し、学位取得と専門医取得を同時に進めることもでき、それぞれの目的に応じ最良のプログラムを提供しております。

2. 消化器内科の特徴

消化器内科の診療グループは、上部消化管グループ、下部消化管グループ、膵臓グループ、肝臓グループに分かれています。多くの経験豊富な医師がcommon diseaseの診断・治療から、高度に専門的な知識・技術を要する先進的な医療の提供やその開発までを実践しております。あわせて、初期研修医、専攻医の先生方が消化器疾患全般や多臓器にまたがる消化器疾患の診療に携わることができるように、総合病床と呼ばれるグループ横断的な病床も配置しています。

  • 上部消化管グループ
    上部消化管疾患の内視鏡診断と、早期胃癌・食道癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)、食道静脈瘤に対する硬化療法(EIS)、上部消化管出血に対する各種止血術などの内視鏡的治療の習得を研修します。さらに胃食道逆流症などの酸関連疾患、機能性消化管疾患、Helicobacter pylori感染症、食道癌、胃癌などの病態に関して臨床的・基礎的研究を幅広く展開しています。また、AIを含む新たな内視鏡機器やシミュレータの開発も行っています。
  • 下部消化管グループ
    ESDやEMRなど腫瘍性疾患の治療、炎症性腸疾患の診断と治療、内視鏡的バルーン拡張術、シングルバルーンを用いた小腸疾患の解明、遺伝学を用いた炎症性腸疾患の病因・病態の追及と新しい治療法の開発、大腸癌発癌過程の研究など日夜邁進しております。
  • 膵臓グループ
    内視鏡的逆行性膵胆管造影法(ERCP)や超音波内視鏡(EUS)を用いた各種膵胆道疾患の診断、総胆管結石に対する内視鏡的結石採石術、膵臓癌、胆道癌による閉塞性黄疸に対する内視鏡的ステント留置術、膵石に対するESWL(体外衝撃波)を用いた膵石破砕などの治療を行っています。近年ではEUS下膵仮性嚢胞・胆道ドレナージなどEUSを用いた治療(interventional EUS)も積極的に行っています。あわせて、膵炎全国調査やDPCデータを用いた疫学研究、多施設共同研究、さらに膵炎原因遺伝子解析、遺伝子改変マウスを用いた分子生物学的アプローチからの原因解明と治療法開発などさまざまな研究を行っています。
  • 肝臓グループ
    ウイルス性や自己免疫性などの慢性肝炎、非アルコール性脂肪性肝疾患、あらゆる慢性肝疾患の終末像である肝硬変、さらに稀少疾患に関しても診断や治療を広く行なっています。また、肝細胞癌の内科的治療(ラジオ波焼灼療法、肝動脈化学塞栓術、動注化学療法、免疫チェックポイント阻害剤・分子標的薬)を最新のモダリティを駆使して積極的に行なっています。臨床・研究共に肝臓病学全般を幅広くカバーしつつ、研究に際しても臨床的視点からのテーマに重点を置いた取り組みをしています。

3. 指導者名及び認定医・専門医取得者数について

後期臨床研修プログラム責任者
  • 正宗 淳(教授・科長)
経歴
1990年:東北大学医学部卒業
1990年:福島県厚生連白河厚生総合病院 医員
1993年:アメリカ合衆国ワシントン大学留学
1996年:東北大学大学院医学系研究科修了
1996年:大蔵省仙台国税局診療所 内科医師
1999年:東北大学医学部附属病院第3内科 助手
2001年:東北大学大学院消化器病態学分野 助手(助教)
2003年:東北大学附属病院消化器内科 院内講師
2011年:東北大学大学院医学系研究科消化器病態学分野 准教授
2018年:東北大学大学院医学系研究科消化器病態学分野 教授
2019年:東北大学病院消化器内視鏡センター長
2019年:東北大学大学院医学系研究科・医学部研究科長特別補佐
2023年:東北大学病院長特別補佐
2023年:東北大学病院臨床研究監理センタ―長
専門分野
消化器内科学、特に胆膵疾患の診療、病態解明、遺伝子解析、疫学
専門医
日本内科学会指導医・総合内科専門医、日本消化器病学会専門医・指導医、日本膵臓学会指導医、日本消化器内視鏡学会指導医・専門医
所属学会
日本内科学会、日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会、日本膵臓学会、日本癌学会、日本胆道学会、日本超音波医学会、日本消化器がん検診学会、日本高齢消化器病学会、日本消化吸収学会、日本消化管学会、日本肝臓学会、日本胆膵病態生理研究会、米国消化器病学会、米国生理学会、米国膵臓学会、国際膵臓学会
学会評議員
など
日本内科学会評議員、日本消化器病学会副理事長・財団評議員、日本膵臓学会理事・評議員、日本消化器内視鏡学会東北支部評議員
編集委員
Pancreas誌 Associate Editor、Pancreatology誌 Editorial Board member、Scientific Reports誌 Editorial Board member、American Journal of Physiology-Gastrointestinal and Liver Physiology誌 Editorial Board member、Frontier in Physiology誌 Associate Editor
消化器内科指導医名
  • 小池 智幸 (准教授・副科長)
    日本内科学会指導医、日本消化器病学会指導医、日本消化器内視鏡学会指導医、日本消化器がん検診学会指導医、日本消化管学会指導医
  • 浅野 直喜 (講師)
    日本消化器病学会指導医、日本消化器内視鏡学会指導医、日本消化管学会指導医
  • 粂 潔 (講師)
    日本膵臓学会指導医
消化器内科全体
  • 日本内科学会総合内科専門医19名
  • 日本消化器病学会専門医30名
  • 日本消化器病学会指導医7名
  • 日本消化器内視鏡学会専門医22名
  • 日本消化器内視鏡学会指導医7名
  • 日本肝臓学会専門医6名
  • 日本肝臓学会指導医2名
  • その他、日本消化管学会胃腸科専門医、日本超音波学会専門医、日本がん治療認定医など

4. 消化器内科での初期研修について

  1. 当院での初期研修プログラムの中で2ヶ月前後、当科で研修をうけることができます。
  2. 各グループをまたがる診療チームに加わり、消化器内科領域全般の幅広い研修を行うことができます。
  3. 基本知識・手技を身につけながら、高度な診療のサポートを行い、カンファランスなどを通じて消化器疾患の診断から治療までの流れを習得できます。

5. 消化器内科での内科専門研修について

  1. 当院を基幹病院とした内科専門研修プログラムはサブスペシャルティ内科重点コースが基本であり(詳細は当院卒後研修センターのホームページを参照)、消化器内科を希望される場合は1年以上を当科で研修する必要があります。
  2. 1年間は4つの診療グループをローテーションすることを基本としています。同時に、各グループ横断的診療チームにも参加し、幅広く研鑽を積むことができます。
  3. 同時に大学院に進学することが可能であり、それぞれの目的に応じて柔軟に対応します。
  4. 身分に関しては、大学病院の規定に従います。

6. 関連病院について

東北大学病院消化器内科は、仙台はもとより周辺都市に数多くの関連病院を擁しております。慢性消化器疾患の治療には、これら関連病院との連携が不可欠であり、様々な協力のもと診療にあったっております。これらの多くが東北大学内科専門研修プログラムの連携施設になっており、当院と連携して研修を受けることができます。

消化器内科関連病院一覧
教育関連病院名 指導責任者
仙台市立病院 消化器科 菊地 達也
仙台赤十字病院 消化器内科 大楽 尚弘
東北労災病院 消化器内科 小林 智夫
JCHO仙台南病院 院長 朝倉 徹
東北公済病院 内科 宮崎 豊
東北医科薬科大学病院 消化器内科 佐藤 賢一
JR仙台病院 消化器科 安倍 修
国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科 岩渕 正広
JCHO仙台病院 消化器科 遠藤 博之
宮城県立がんセンター 消化器科 鈴木 眞一
石巻赤十字病院 副院長 赤羽 武弘
石巻市立病院 消化器内科 飛澤 笑山
大崎市民病院 消化器内科 境 吉孝
栗原市立栗原中央病院 副院長 木田 真美
塩竈市立病院 内科 真野 浩
気仙沼市立病院 副院長 星 達也
みやぎ県南中核病院 消化器内科 佐藤 晃彦
登米市民病院 内科  三上 哲彦
蔵王町国保蔵王病院 院長 伊妻 壮晃
帯広第一病院 理事長 小林 光樹
八戸市立市民病院 消化器科 沖 元二
十和田市立中央病院 消化器内科 中野 健
大曲厚生医療センター 院長 三浦 雅人
岩手県立中央病院 消化器科 池端 敦
岩手県立胆沢病院 消化器科 萱場 尚一
岩手県立中部病院 消化器内科 三上 恵美子
岩手県立磐井病院 消化器科 横沢 聡
山形市立病院済生館 消化器内科 黒木 実智雄
いわき市医療センター 消化器内科 高橋 成一
白河厚生総合病院 副院長 岡本 裕正

7. 各種学会・研究会の参加について

消化器内科では、各種学会・研究会への参加を積極的に勧めております。また各種研究会を主催し、自分たちの診療技術の向上はもとより、地域医療のさらなるレベルアップを図っております。研修期間中はこれらに積極的に参加することで、知識・技能の向上を推進できます。

参加学会一覧
  • 日本内科学会
  • 日本消化器病学会
  • 日本消化器内視鏡学会
  • 日本肝臓学会
  • 日本膵臓学会
  • 日本胆道学会
  • 日本内科適応学会
  • 日本超音波医学会
  • 日本肝癌研究会
  • 日本内分泌学会
  • 門脈圧亢進症学会
  • 日本大腸肛門病学会
  • 日本消化器集団検診学会
  • 日本消化器がん検診学会
  • 日本消化吸収学会
  • 日本癌学会
  • 日本移植学会
  • 日本胃癌学会
  • 日本神経消化器病学会
  • 日本食道学会
  • PEG・在宅医療学会
  • 日本気管食道科学会
  • 日本炎症性腸疾患学会
  • 日本消化器免疫学会
  • 日本小腸学会
  • American Gastroenterological Association (AGA)
  • American Association for the Study of Liver Diseases (AASLD)
  • The Asian Pacific Digestive Week (APDW)
  • The Asian Pacific Association for the Study of the Liver (APASL)
  • International Association of Pancreatology (IAP)
  • American Pancreatic Association (APA)
  • European Pancreatic Club (EPC)
  • Asian Organization for Crohn's & Colitis (AOCC)
  • Crohn’s & Colitis Congress (CCC)
  • European Crohn´s and Colitis Organisation (ECCO)
  • Advances in Inflammatory Bowel Diseases (AIBD)

8. お問い合わせ先

東北大学消化器内科卒後教育担当
E-mail. fellow@gastroente.med.tohoku.ac.jp
医局Tel. 022-717-7171(秘書) / Fax. 022-717-7177

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