教授挨拶

東北大学消化器内科 科長 正宗淳

学生、研修医の皆さんへ

 2018年6月1日付で、消化器病態学分野教授を拝命した正宗淳(まさむねあつし)です。100年にわたる歴史と伝統ある教室を担当させていただくことを大変光栄に思うとともに、その重責に身の引き締まる思いです。

 医学部・大学病院においては教育、研究、診療は三位一体であり、いずれが欠けてもなりません。Common diseaseから希少疾患、難治性疾患まで、消化器内科が扱う疾患は多岐にわたります。さらに近年の内視鏡治療の進歩は、患者さんにやさしい治療として消化器病診療の幅を大きく広げました。

 私は優れた医師の条件として、①医学的知識の豊富さ、②技能の確かさ、そして③患者さんの立場に立った診療、の3つが大切と考えています。幅広い診療技術と考え方を習得した、バランスのとれた消化器内科医を養成すると同時に、患者さんやご家族に“寄り添える”医療を行える医師を養成することを目標とします。内科専門医制度の変更に伴い、消化器内科領域においても特定の臓器に極端に偏ることなく、消化器全般の診療をしっかり行えるということの重要性が増しています。これまでの臓器別グループ診療に加えて新たに、臓器横断的に診療を行う病床を導入し、消化器内科総合医の育成を行っています。すべての主だった消化器病にしっかりと対応でき、地域医療を担える消化器内科総合医を育成することは、各種専門医資格の取得に直結するのみならず、将来、地域の教育基幹病院における指導医を養成していく点からも基本となるものです。

 私どもの教室は、数多くの症例が集まる特性を生かし、スキルアップにより、各種消化器疾患に対して高度な内視鏡的治療などを行える人材の育成にも力を入れています。消化器内科総合医と高度技能消化器内科医をめざすコースをバランスよく配置することで、入局者のニーズのみならず、患者さんの多様なニーズに対応することが可能な“良医”の育成に努めていきます。

 一方、学位よりも専門医取得を重視する傾向にある現代でこそ、疑問点や問題点を探求するリサーチマインドの育成は、その後の医師としての考え方、生き方の基盤となります。 “臨床の教室”という立ち位置を堅持しながら、研究内容においても若い先生方の多様なニーズに応えるため、基礎研究から臨床研究まで幅広い選択肢を用意しています。特に私自身の経験をふまえ、臨床研究、トランスレーショナルリサーチ等、臨床にフィードバックできるような研究を推進しています。さらに内外の一流の研究室への留学や留学生の受け入れなどの人材交流を進め、次世代を担う人材育成に努めています。

 具体的にはHigh volume centerの臨床教室であることを最大限に活用しながら、臨床現場へ研究成果を還元することを最大の目的として、①遺伝子解析を基盤とした消化器病研究、②患者検体・モデル動物を用いた消化器病の病態解明・治療法開発、③臨床情報を用いた消化器病の新規診断・治療法開発、④超高齢化社会に対応する消化器病研究、を4本柱として、指定国立大学である東北大学のmissionである未来型医療の実現を目指した消化器病研究を進めていきます。学内外、国内外の教室との共同研究を今後も推し進めるとともに、東北大学の“得意分野”を生かした、世界レベルの研究を目指していきます。

 消化器病の多様性に対応できる、“人材の多様性”こそが、教室をさらに発展させていく礎と考えています。東北大学建学以来の伝統である「門戸開放」の理念に基づき、多様な人材に教室の仲間に加わってもらい、教育、研究、診療のいずれにおいても多様性のある教室を目指しています。特に、互いの“多様性”を尊重しながら補い合い、各人の”得意分野“、”興味“を伸ばしていくような教室を目指しています。一人でも多くの方が私どものメンバーに加わり、一緒に新しい教室づくりをしてくれることを期待しています。

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