肝血管腫は経過観察が基本方針ですが、巨大な病変や症状出現や凝固異常を伴う場合には手術適応となり得ます。本症例は、肝臓のほぼ全体を占める巨大な肝血管腫であり、外科的切除は困難、肝移植も適応外でした。シロリムスは、難治性リンパ管疾患や先天性血管奇形に対して使用されるmTOR阻害薬です。治療困難であった本症例に対し、シロリムス単剤療法を実施し著明な腫瘍縮小を認めました。本経験から、シロリムスは成人巨大肝血管腫に対する有効な治療選択肢となり得ると考え報告いたします。
 
 
Giant hepatic hemangioma in a Japanese adult patient reduced by sirolimus therapy.
 
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40748519/
 
Clin J Gastroenterol. 2025 Aug 1. doi: 10.1007/s12328-025-02183-2. Online ahead of print.
 
PMID: 40748519