本研究では東北労災病院との共同研究により500例以上の慢性肝疾患における血清中の亜鉛濃度をまとめた結果、低亜鉛血症と慢性肝疾患の進行や握力低下との関連が示され、特定のアミノ酸（チロシン）の上昇とも関連があることが分かりました。また、低亜鉛の患者さんが亜鉛製剤を内服するとチロシンが低下することも明らかとなり、低亜鉛に対する治療介入が有用である可能性が示されました。たくさんのデータをまとめて解析していただいた小林智夫先生をはじめ、東北労災病院の先生方に感謝申し上げます。
（井上）
 
Hypozincemia Is Associated With Increased Tyrosine Levels, Low Handgrip Strength, Increased Incidence of HCC, and Liver Disease Progression-A Cross-Sectional Study.
 
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40109879/
 
JGH Open. 2025 Mar 18;9(3):e70124. doi: 10.1002/jgh3.70124. eCollection 2025 Mar.
PMID: 40109879