2024.06.24
Colonoscopyを行った際大腸腫瘍の周囲に白色の点状所見が見られることがあり、本邦では白斑またはwhite spotsと呼称されています。白斑は癌のみならず腺腫の周囲にも存在し癌に限定的な所見ではありませんが、その存在意義に関して検討した報告は多くありません。
本研究は、臨床統計および生物学的特徴双方の観点から白斑が診断や治療のバイオマーカーとなり得るか、その臨床的意義を検討することを目的としています。
現在内視鏡切除を行う際には腫瘍径や肉眼形態などを基に適応が決定されていますが、解析の結果から特に腺腫の周囲に存在する白斑は癌化のポテンシャルが高く、内視鏡的切除を考慮すべき所見の一つとして臨床応用できる可能性が示されました。
本研究は博士課程の4年間で取り組んだテーマであり、その着想から実験、解析、そして論文化に至るまで下山先生、大腸グループの先生方、角田先生、そして正宗教授には多大なるご指導を賜りました。ここに感謝申し上げます。(是川)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38902852/
White spots around colorectal tumors are cancer-related findings and may aid endoscopic diagnosis: a prospective study in Japan
Clin Endosc. 2024 Jun 21. Online ahead of print.
PMID: 38902852