医局NEWS

井上淳先生らによる核酸アナログ治療中のB型肝炎患者での肝発癌予測についての論文がJ Clin Med誌に掲載されました

2022.05.16

当院および関連施設の先生方にご参加いただいているTohoku Hepatology Research Meeting (THERME)で集積した核酸アナログ内服中のB型肝炎患者さんのデータを解析し、治療開始1年後にALTが正常化していないとその後の肝発癌率が有意に高くなることが分かりました。ALTには様々な基準がありますが、海外で用いられている基準よりも日本肝臓学会の基準(男女ともALT 30以下)が肝発癌予測に有用でした。また、他のリスクスコアとの組み合わせで肝発癌率の極めて低い集団を見出すことができました。これらの結果はより効率的な肝癌スクリーニング法の確立に繋がることが期待されます。多くのご協力いただいた先生方に感謝申し上げます。(井上)


Non-Achievement of Alanine Aminotransferase Normalization Associated with the Risk of Hepatocellular Carcinoma during Nucleos(t)ide Analogue Therapies: A Multicenter Retrospective Study.
Inoue J, Kobayashi T, Akahane T, Kimura O, Sato K, Ninomiya M, Iwata T, Takai S, Kisara N, Sato T, Nagasaki F, Miura M, Nakamura T, Umetsu T, Sano A, Tsuruoka M, Onuki M, Niitsuma H, Masamune A, Therme Study Group.
J Clin Med. 2022 Apr 22;11(9):2354. doi: 10.3390/jcm11092354.
PMID: 35566481

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