潰瘍性大腸炎は、主に若年者に発症する腹痛や血便などを症状とする指定難病ですが、発症を予測する方法は確立されていません。当科の澤橋基医師（現十和田市立中央病院）らの研究グループは、東北メディカル・メガバンク計画で収集した8万人超のコホートデータの中から、将来的に潰瘍性大腸炎を発症する集団を含めた対象者の血液、生活情報を解析しました。その結果、血液中の抗EPCR抗体と抗インテグリンαvβ6抗体により、発症の約5年前から将来の潰瘍性大腸炎を高い精度で予測できることを、日本人を対象とした研究で初めて明らかにしました。また、生活習慣のうち「不眠」がリスク因子として同定されました。これらの自己抗体の測定で潰瘍性大腸炎の発症リスク因子を把握することが早期発見や発症予防につながることが期待されます。（角田）
 

＜東北大学プレスリリース＞
■本部
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2025/05/press20250519-02-colitis.html
https://web.tohoku.ac.jp/research/
 
■医学部
https://www.med.tohoku.ac.jp/researchlist/
https://www.facebook.com/Tohoku.University.School.of.Medicine
 https://twitter.com/tohoku_univ_med
 
■病院
https://www.hosp.tohoku.ac.jp/release/press/
 
■東北メディカル・メガバンク機構
https://www.megabank.tohoku.ac.jp/news/61812 
 

■論文情報
論文名
Autoantibodies against endothelial protein C receptor and integrin αvβ6 predict the development of ulcerative colitis.
 
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40372451/
 
J Gastroenterol. 2025 May 15. doi: 10.1007/s00535-025-02263-7. Online ahead of print.
PMID: 40372451

■行政・メディア等情報
内閣府　城内特命担当大臣記者会見
https://www.gov-online.go.jp/press_conferences/minister_of_state/202505/video-297332.html

文部科学省大臣会見
https://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/mext_00589.html

2025/5/19 日経新聞
東北大、潰瘍性大腸炎の発症は血液検査で数年前から予測可能であることを実証
https://www.nikkei.com/article/DGXZRSP691175_Z10C25A5000000/

2025/5/19 日経バイオテク
東北大、潰瘍性大腸炎の発症は血液検査で数年前から予測可能―日本人約8万人のコホートを対象に初めて実証―
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/release/25/05/19/24195/