医局NEWS

上埜(旧姓:下田) 楓美子らによるクローン病患者の遺伝的素因がインフリキシマブ治療効果に与える影響を検討した論文がPharmacogenomics Jに掲載されました

2023.07.21

本研究は日本人クローン病 (CD)患者を対象として、CD治療薬であるインフリキシマブ (IFX)の長期予後に関わる遺伝的因子を解析した論文です。これまで欧米人ではHLA-DQA1*05 (rs2097432)がIFX治療に対する長期予後予測に有用であることが報告されてきました。しかしながら、遺伝的背景の異なる日本人を含む東アジア人において、その有用性を確認した報告はありませんでした。本研究ではHLA-DQA1*05が日本人においてもIFX治療の長期予後に相関していることを報告しました。さらに、ゲノムワイド相関解析により、PPAR-gamma coactivator 1B (PPARGC1B)遺伝子の上流に位置する一遺伝子多型 (rs73277969)がIFX治療の長期予後と強く相関する事を新規に報告しました。事前にこれらの一塩基多型を測定する事により、IFX治療の長期予後予測が可能となり、個別化医療につながる事が期待されます。多くのご協力いただいた先生方に感謝申し上げます。(下田、内藤)

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