2022年7月に京都で開催された国際膵臓学会(IAP)の際に、下瀬川先生がIAP Lifetime Achievement Awardを受賞されました。尚仁会ならびに教室にとっても、大変名誉なことです。受賞を記念し、下瀬川先生が執筆された慢性膵炎に関する論文が、先日Pancreatology誌に掲載されました。以下、下瀬川先生からのメッセージです。

“この論文の内容は慢性膵炎の発症機序に関する個人的な見解を述べたものです。過去にはprotein plug theory, necrosis-fibrosis sequence theory, toxic-metabolic theory, sentinel acute pancreatitis theoryなど様々な発症機序が提唱されてきましたが、どれも不十分と考えていました。今回の提案は、長年第三内科で研究させていただき、山形内科の慢性膵炎に関する研究に源を発してこれまでお世話になった山梨医科大学の小林繁先生、米国でお世話になったSaid先生、そして何よりも第三内科の膵臓グループはじめ先輩、同輩、後輩のご支援があって、形成された慢性膵炎の発症に関する仮説です。お世話になった皆さんへのご恩返しというか、第三内科の慢性膵炎に関する洞察として、ご一読いただけますと幸いです”

Shimosegawa T. Between early and established chronic pancreatitis: A proposal of "acinar-ductal hybrid mechanism". Pancreatology. 2022 Sep 20:S1424-3903(22)00743-8. doi: 10.1016/j.pan.2022.09.239. Epub ahead of print. PMID: 36163223.