新型コロナのワクチン接種は炎症性腸疾患患者にも推奨されていますが、免疫抑制療法中の患者ではワクチンの反応が低下することが欧米から報告されています。しかし、遺伝的な背景の異なるアジア人患者における報告はありませんでした。今回の検討では、規定の2回接種後に特定の薬剤（抗TNF製剤やチオプリン製剤）を使用中の患者でワクチンの反応が低下していました。ただし、これらの患者においても、追加の接種を行なうことで十分な反応が得られました。特に免疫抑制的な治療を受けている患者では、積極的に追加接種を受けることが望ましいと考えられます。（志賀）

論文
Shiga H, Kakuta Y, An K, Abe Y, Fujimaki S, Shimoyama Y, Naito T, Moroi R, Kuroha M, Khor SS, Kawai Y, Tokunaga K, Kinouchi Y, Masamune A. Response to COVID-19 vaccine is reduced in patients with inflammatory bowel disease, but improved with additional dose. J Gastroenterol Hepatol. 2022 Sep 6. doi: 10.1111/jgh.16001. Epub ahead of print. PMID: 36066279.
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jgh.16001

プレスリリースにつきましても合わせてご参照ください。
 
東北大学
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2022/09/press20220922-02-vaccines.html
 
医学系研究科
https://www.med.tohoku.ac.jp/5211/
 
東北大学病院
https://www.hosp.tohoku.ac.jp/release/press/34809.html