食道扁平上皮癌患者の背景食道非腫瘍粘膜におけるアルコール曝露後のNRF2標的遺伝子発現低下
 
帯広第一病院に赴任された外田先生の学位の内容です。本来であればNRF2は食道扁平上皮癌発癌に対して防御機構として働きますが、食道扁平上皮癌患者の背景食道非腫瘍粘膜では、アルコール曝露により逆にNRF2の標的遺伝子発現が低下することが明らかとなりました。食道扁平上皮癌患者では背景食道非腫瘍粘膜にてNRF2防御機構が破綻しており、これが原病変治療後にも高率に異時性食道扁平上皮癌が発生する要因となっている可能性を報告しました。(八田)

Decreased Expression of NRF2 Target Genes after Alcohol Exposure in the Background Esophageal Mucosa of Patients with Esophageal Squamous Cell Carcinoma.
Toda S, Hatta W, Asanuma K, Asano N, Ono Y, Abe H, Ogata Y, Saito M, Kanno T, Jin X, Uno K, Koike T, Imatani A, Hamada S, Nakamura T, Nakaya N, Masamune A.
Tohoku J Exp Med. 2022 Sep 8. doi: 10.1620/tjem.2022.J077. Online ahead of print.